[JPN] What Would Be the Death Toll if Nuclear Weapons Were Used in Northeast Asia?
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[JPN] What Would Be the Death Toll if Nuclear Weapons Were Used in Northeast Asia?

NHK

NHK covered an APLN-RECNA-Nautilus joint report titled “Humanitarian Impacts of Nuclear Weapons Use in Northeast Asia: Implications for Reducing Nuclear Risk.” The original article is on the NHK website.

核兵器 北東アジアで実際に使うと…どれくらいの人 亡くなる?

北東アジアで核兵器が実際に使用されるとどれくらいの人が亡くなるのか、国際情勢を踏まえたシミュレーションを長崎大学などが行い、結果を発表しました。

被害が限定的なケースでも核兵器が使用されてから数か月以内に攻撃を受けた地域の人口の25%が亡くなるという結果になったということで「核使用のリスクを直視し、核抑止に頼る安全保障の枠組みを見直す必要がある」と指摘しています。

目的は”核兵器使用されないようにするための方策 考えるため”

長崎大学核兵器廃絶研究センターは、核兵器が使用されないようにするための方策を考えるために、北東アジアで核兵器が使用された場合にどのような被害が出るか、アメリカの研究所などと共同でシミュレーションを行いました。

 

シミュレーションは関係する各国の核戦略や国際情勢をもとに
▽朝鮮半島をめぐって合わせて3発の核兵器が使用されるケースや
▽台湾をめぐって核保有国どうしが使用し威力の大きい核兵器を含めて最大24発が使用されるケースなど5つのケースについて行い、爆風や熱線、放射線の影響などによって亡くなる人の数を推計しました。その結果、1発が使われたケースでも数か月以内に亡くなる人は攻撃を受けた地域の人口の25%にあたる22万人となり、威力の大きい核兵器を含め多く使用された場合には260万人が亡くなるという試算になりました。

 

今回のシミュレーションでは炎や煙が竜巻のようになる「火災旋風」の影響も考慮していて広い範囲で多くの犠牲者が出るとされたほか、気象条件によっては核爆発で発生する放射性物質が大きく広がり、がんで亡くなる人の数は数十年の間に最大で92万人に及ぶと推定されたということです。

 

センターの鈴木達治郎教授は「敵対する国どうしの誤解やコミュニケーション不足で核兵器を使用することは起こりうる事態であり、1発でも使用されれば甚大な被害が出ることは避けられない。今回の結果を踏まえ核保有国の指導者たちは核兵器が使用されるリスクを直視し、核抑止に頼る安全保障のあり方を見直してもらいたい」と話しています。

核兵器使用 シミュレーション行った5つのケース

長崎大学などの研究グループは各国が実際に公表している核戦略や現在の国際情勢を踏まえて核兵器が使用されうるケースを想定した上で、爆風や熱線、放射線に加え、炎や煙が竜巻のようになる「火災旋風」、それに放射線が飛散する範囲を分析し、被ばくの影響で数十年の間に亡くなる人の数を推計しました。

シミュレーションは5つのケースについて行っています。

【ケース1】北朝鮮が使用したのち アメリカが使用

 

国内外の経済的圧力によって追い詰められた北朝鮮がアメリカや韓国を交渉のテーブルに着かせることを目的に、威嚇のために核兵器を使用するという想定のケースです。

韓国の海軍や沿岸警備隊が北朝鮮の領域に侵入して国民を脅かしているとして韓国の沿岸地域を狙って、広島に投下された原爆より小型のTNT火薬に換算して10キロトンの核兵器を使用することを想定しています。

アメリカは韓国の要請に応じて通常兵器を使って反撃したあと、アメリカや同盟国を脅かすICBM=大陸間弾道ミサイルや核戦力を隠していると考えられる地点を狙って、小型の核兵器2発を使用するとしています。

 

 

その後は外交交渉が集中的に行われさらなる核兵器の使用は避けられるとしていますが、
▽数か月間だけで亡くなる人は攻撃を受けた地域の人口の27%にあたる1万1000人、
▽放射線や飛散した放射性物質の影響で長期的にがんになって亡くなる人は1万6000人から3万6000人と推計されるとしています。

【ケース2 】アメリカが北朝鮮に先制使用し 北朝鮮が反撃で使用

 

 

北朝鮮が発射実験を繰り返すICBMによってアメリカ本土が脅かされていることを理由に、アメリカの大統領が国内の政治的圧力などを受けて北朝鮮の核ミサイルシステムを攻撃しようと、核兵器を先制使用するという想定のケースです。

北朝鮮は韓国と日本にある米軍基地などを狙って核兵器を使って反撃し、北朝鮮がアメリカに支配されることを懸念した中国が介入し、米中がそれぞれの軍事施設を核攻撃するとしていて、広島に投下された原爆の20倍の威力のある核兵器も含めて合わせて18発使用されるとしています。

▽数か月間だけで亡くなる人は攻撃を受けた地域の人口の33%にあたる210万人、
▽放射線や飛散した放射性物質の影響で長期的にがんになって亡くなる人は48万人から92万人と推計されるとしています。

【ケース3】テロリストが日本国内の都市部で使用

テロリストのグループが注目を集める目的で、密輸した小型の核爆弾を日本国内の都市部で爆発させるとする想定のケースです。

▽数か月間だけで亡くなる人は地域の人口の25%にあたる22万人、
▽放射線や飛散した放射性物質の影響で長期的にがんになって亡くなる人は41万人から56万人と推計されるとしています。

【ケース4】ロシアが使用したのち アメリカが使用

 

 

ロシアのウクライナ侵攻で緊張が高まる中で、アメリカが日本と韓国の要請に応じて日本海上の潜水艦や艦船に核兵器を搭載した爆撃機を配備するのに対し、ロシアが日本にあるアメリカ軍基地や日本海上の艦船を狙って広島に投下された原爆の10倍以上の威力にあたる、150キロトンと200キロトンの核兵器を合わせて5発使用するという想定のケースです。

アメリカは、小型の核兵器3発でロシア東部の基地を攻撃し、その後、日本と韓国による外交的働きかけなどによってさらなる核兵器の使用は回避されるとしています。

▽数か月間だけで亡くなる人は攻撃を受けた地域の人口の36%にあたる29万人、
▽放射線や飛散した放射性物質の影響で長期的にがんになって亡くなる人は1万4000人から8万5000人と推計されるとしています。

 

【ケース5】中国が使用し アメリカが反撃のため使用

 

中国国内での指導部への反感が高まり、中国指導部が国民の意識をそらすために台湾の防衛施設を攻撃するのに対して、台湾がアメリカの軍事的支援を受けて反撃し、エスカレートするという想定のケースです。

このケースでは、アメリカのさらなる関与を懸念した中国が通常兵器だけでは勝利できないと判断した場合に、自国の核戦略として掲げている「核の先制不使用」を破棄し、日本や韓国にあるアメリカ軍の基地や艦船を250キロトンの核兵器5発で攻撃するとしています。

これに対してアメリカはICBMや核ミサイルがある可能性がある基地などを小型の核兵器10発を使って反撃し、両国で合わせて24発の核兵器が使用されるという想定です。

 

 

▽数か月間だけで亡くなる人は攻撃を受けた地域の人口の35%にあたる260万人、
▽放射線や飛散した放射性物質の影響で長期的にがんになって亡くなる人は9万6000人から83万人と推計されるとしています。

核兵器使用を未然に防ぐ方策 考えるためのシミュレーション

長崎大学核兵器廃絶研究センターは、今回、核抑止のリスクを検証して核兵器が使用されるのを未然に防ぐ方策を考えるのを目的に、シミュレーションを行いました。

 

センターはおととしから安全保障を研究するアメリカのノーチラス研究所などと合同で3年計画のプロジェクトを進めていて、まず1年間かけて、2025年から2030年に核兵器が使われるとしたらどのようないきさつでどこで使用されるかなど、25の想定されるケースをまとめました。

 

この中の4つのケースにロシアによるウクライナへの軍事侵攻を踏まえたケースを加え、北東アジアで核兵器が使用される可能性があるとする合わせて5つのケースについて、去年4月から1年間かけて、各国が実際に公表している核戦略や現在の国際情勢を踏まえて、核兵器の規模や使われる地点など具体的な条件を決めた上でシミュレーションを行い、
▽被爆直後に亡くなる人の数や、
▽飛散した放射性物質の影響で長期的にがんになって亡くなる人の数を推計しました。
報告書では「核兵器の先制使用のあと数日の間に世界的な核戦争にエスカレートする可能性があり控えめに見積もっても人道的、政治的、社会的悲劇を意味する」としています。

 

また、核兵器が使用されるケースは敵対国間の意図の誤解やコミュニケーション不足などに端を発するとした上で、こうしたリスクを減らすために
▽自国の意図や軍事演習やミサイル実験などについて敵対国に伝えることや、
▽核保有国の間では政治的関係を損なうどのような問題が起きてもコミュニケーションを維持することが重要だとしています。そして、北東アジアでの核兵器の廃絶に向けたステップとして朝鮮半島の非核化や非核兵器地帯の設置など地域の安全保障の枠組みを作ることが必要だと指摘しています。センターでは今後、核兵器の使用を未然に防ぐための方策などを取りまとめることにしています。
センターの鈴木達治郎教授は、「核戦争のシミュレーションをすることは被爆地にとってはつらいことだが、被爆地だからこそ核戦争でどういうことが起きるか理解を深めて世界に発信することが重要であり、それが『長崎を最後の被爆地に』というメッセージにつながるはずだ」と話しています。

NHK Nagasaki also broadcasted the news in its local news program.

長崎大など 核兵器の被害想定 1発使用でも地域の25%死亡

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